小さな手を繋いでくれた保育士さんの温かい言葉

子どもが保育園に通い始めてしばらくすると、Yちゃんという初めてのお友達ができました。
家も近くのYちゃんとは保育園でもとても仲良しで、他のお友達も含めて、毎日楽しい日々を過ごしていました。
しかし夏が過ぎた頃、今まで元気に通園していた子どもの表情が曇り始めました。
理由を聞くも、あまり言いたくない様子。そこで根気よく子どもがしゃべり始めるのを待つと、どうやら最近仲良しだったYちゃんと上手くいっていないことを知りました。
お砂場のおもちゃやクレヨンをYちゃんに一方的に取り上げられるも、今まで仲良しだったYちゃんを傷つけたくなくて言い返すことができないうちの子。
考えた末、担任の保育士さんに手紙を書いて、様子を見て頂くことにしました。
手紙をこっそり連絡帳に挟んだ日、子どもが帰宅後に担任の保育士さんから電話を頂きました。
保育士さんはまだ20代後半の先生でしたが、とても真摯に話を聞いて下さり、
「明日から何かあったら園で対応するので、家でもお母さんが味方になってお子さんがちゃんと自分の気持ちをYちゃんに言えるようご指導お願いします」
ととても誠実で心強い言葉を頂きました。
翌日、いつも通りYちゃんがうちの子のクレヨンを因縁をつけて取り上げようとしたので子どもも、
「やめてよ!」
と大きな声で初めて自分の気持ちをYちゃんにぶつけました。するとYちゃんは初めての反撃に驚いて大声で泣き出し、泣くYちゃんを見た子どもも驚いて一緒に泣いてしまったようでした。
大声で泣き続ける二人をちゃんと気にかけて下さっていた保育士さんは、まずはうちの子が自分の意見をきちんと言えたことを褒め、その後Yちゃんに他の友達が使っているものを奪い取ってはいけないことを、こんこんんと諭して下さったそうです。
どうやらYちゃんは母親が妊娠中で情緒が不安定になり、身近な友達だったうちの子に意地悪をしてしまったとのことでした。
「自分が同じことをされたら、どういう気持ちがする?よく考えてごらんなさい」

事情を全部把握した上で頭ごなしに怒ることをせず、淡々と叱ってくれた保育士さんの言葉は、しっかりYちゃんに届いたようで、Yちゃんはうちの子に自分から謝り、その後二度と繰り返されることはありませんでした。
翌日から再び仲良しの良い友達としていつも手を繋いで園から出てくるようになり、卒園し小学生になった今も二人は無二の親友です。
一度離れかけたこの小さな手をもう一度繋いでくれたのは、あの時の保育士さんの温かい言葉の数々だと、今でも心から感謝しています。